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3Dプリンタで水耕栽培プランタに挑戦

3Dプリンタを用いて水耕栽培プラントの制作に挑戦してみました。

 

目標:多年草を1年以上育て、花を咲かせる(or 実らせる)

   市販の水耕栽培キットと同等に使用できるオリジナルプランター

   自作できるか検証する。

 

 

・水容器の選定

簡易的な水耕栽培キットではプラスチック製の容器へ水を張り、その水を

スポンジ等の毛細管現象を利用して植物へ供給するのが一般的と思います。

ここでも同様の原理で水耕栽培プランタを作成します。

ただし、スポンジや長方形のプラ容器等では見栄えが悪いため、

少しでもお洒落な形状にしようと考えました。

Seria(セリア)に丁度良い水入れ容器を発見しました。

これを水容器使っていきます。

 

プランターの作成

プランターは市販のプラのものが溢れていますが、

ここでは3Dプリンタで自作します。

 

3Dプリンタで成型を行うにはまずCADデータが必要です。

フリーソフトでメジャーなソフトにBlenderというソフトがあります。

こちらのソフトで3Dデータを作成しました。

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(備考) 脱線

大切な寸法は適切な測定具を用い、正確に測定した上で決定しましょう。

上図のデータ形状でいえば、円錐部の径とその上の部分

(水容器蓋部を包み込む形状)の内外径は重要ポイント。

測定:デジタルノギス(DIYでは安いので良いと思います。)

 

また、使用する3Dプリンタの精度(公差)を踏まえて設定します。

私の愛用する3Dプリンタは熱溶解性プリンタで

固系樹脂の線を熱溶解→自然固化する形なので、

光で液体樹脂を変性(固化)して成型するタイプと比べて精度が落ちます。

私の場合は±0.2~0.3 mm程度のズレは常に発生すると仮定して設計しています。

 

もし、3Dプリンタを使って何か作りはじめたいという方は、

先にモデリングの勉強をおススメします。

この手のモデリングソフトは千差万別で、拘りたい派の人が触れるソフトは

当たり前ですが複雑で操作には慣れが必要です。

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これをstl形式というデータ形式で書き出します。

                                (2022.5.14)

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・成型

愛用の3Dプリンタ Flash Forge製 Adventure3X で成型。

データを読み込みMoldボタンを押せば後は待つだけです。

設計通り仕上がりました。

プリンティングが終わったら余計な樹脂を剝がします。

3Dプリンタのマニュアルには"ヘラ"で剥がすと書かれていますが、

かなり強く張り付いているので、ドライバーセットによくある針状の

ドライバーで隙間をつついてやると剝がしやすいです。

 

剥がすとこんな感じになります。

淵の部分が荒いですが、これが熱溶解性の3Dプリンタの仕様になります。

プリント上側面は綺麗にプリントされますが、

下側は土台にプリントされる樹脂とどうしても繋げる都合があるため、

仕上がりが少々荒くなります。

今回パーツを2つに分けた理由は2つです。

・プリントを高くするとプリント中に崩壊する恐れがある。

・上下2つのパーツを組み合わせ、綺麗な面だけが表に出るようにする。

 

2つのパーツは愛用のアロンアルファで接着。

液体系アロンアルファを使用したのですが、1つ誤算がありました。

接着面がともにきれいな面になっていない(成型が汚い面同士)為、

なかなか接着してくれません。

仕方ないのでドバドバにアロンアルファを入れてオーバーナイト接着。

力技ですがなんとかくっつきました。

                                (2022.12.31)

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もとの素材の色だと味気ないので、色塗りしてみました。

流行りのターナーミルクペイントを購入しました…が、

よくパッケージ裏をみてみると"PLA"は塗れないと書かれておりました!

絶望です…。

 

塗れないわけではないだろう…と思いましたが水性塗料をそのまま塗っても

ダメだと思うのでアクリルスプレーを噴射した後、完全に乾かないうちに

塗ってしまう作成を決行!

 

…なんかよくわかんないけどいい感じに塗れてしまいました。

ピスタチオグリーンって色を塗りたくってやりました。

通してるヒモは市販の水を吸うタイプのものです。

ここから水を吸ってプランターを常時湿らす狙いです。

あとはパーライトを入れれば完成!…とこの時の愚かな私はそう思っていました。

 

これを入れてヒモから水を吸わせてみたのですが、

いつまで経っても湿り気を起こさない…

紐が小さすぎる?等考えましたが紐自体は上までしっとり。

後々調べてみると、パーライトには排水仕様と給水仕様があるようです。

 

真珠岩パーライト;水分により表面が崩され、パーライト内部に水が入るため、保水機能がある。

黒曜石パーライト;多孔質で中空になっているが、水が浸透しない。(排水機能)

 

いやでも白いし真珠岩パーライトだよなぁ?とか思っておりましたが

注意書きには排水性に優れている…と。

これは絶対だめなやつです。

こんな状態で 1時間、2時間、6時間と経過観察し続けても

一向に湿らないわけです…。

このとき、パーミキュライトを入れていることが原因でなく、

紐の給水量<水の揮発量 だと思い込んでいましたので…

設計変更してます。

今回は上下のパーツを接着剤でないくボルト+ナットで組付けられるように

改造しました。

また、底のほうをよく見ると穴が4つあります!

そうです!ヒモを4本にして吸水力抜群のパンパー〇状態にしたのです。

みてください!紐が増えました。4本です!

これなら安定して水が吸えること間違いないです。

 

ここでやっとパーライトが悪いことに気づいた為、

バーミキュライトに変更しました。(ウッドチップ細かくしたような材質?)

今までとは全く違い、よく水を吸ってくれます!

 

いよいよ種を植えます…

                                (2023.01.04)

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